己の沸き上がる怒りの感情について整理しようと思う。
「彼女が彼にセクハラされたと周囲に吹聴している件について」
大きく分類すると三つ。
嫉妬。敬愛している者を侮辱された怒り。不安。である。
順を追って整理していく。
まず第一に嫉妬。可憐で可愛いらしい彼女には魅力がある。それを羨んでいる自分がいることは否定出来ない。
しかし彼女は無礼で節操が無く、無自覚に人を踏みにじる程頭が悪い。彼を悪者と見なし、それを周囲に吹聴する。間違った事実で無遠慮に彼を陥れる。悪意はない。彼女は自分が正義であり被害者だと偏り誤った認識を持ち、疑わないのだ。
しかし彼女は魅力的な見た目であるために、多くの人が彼女に耳を傾ける。彼女の言葉は虚像であっても真実に変えてしまう。どんなに頭が悪くとも、無自覚に人を陥れようとも、顔が良いだけで発言力が上がり、周囲を味方に付けている。その点である種羨ましさを感じているのかもしれない。
二つ目に敬愛している者を侮辱された怒り。
自分が尊敬している者が、真実とは違った言葉で侮辱されているのを聞くのは耐え難い。いつも真摯で一貫した態度を持つ彼を誰が責められるのだろうか。
三つ目は不安。
彼を見てきた三年間、私のこれまでの経験は、彼女の発言が虚像だとはっきりと判断出来る。私の知る彼は間違えない。しかし私の知らない彼もいるかもしれない。本当に私の認識は正しいのだろうかという不安。
彼を信じたいという自分の感情が、自分の認識を偏らせているのではないかという不安と迷い。
彼女が泣けばそれでも彼は手を差しのべるだろう。それに私は嫉妬の念を抱く。
どうすべきかはわかる。
自分は、自分さえ真摯に勤めていれば良い。
わかり得ない可能性は、冷凍保存して頭の片隅にでもおいやっておけばいい。
結論。
怒りは節操のない彼女に対してではない。嫉妬してしまう己に対して怒りを感じているのだ。
昇華すべきは漫画、昇華出来るのは、漫画。
解決。