己の弱さに気が付いてしまったからだ。
憎悪の根源は寂しさや虚しさから来る。
人に囲まれ満たされ愛された人間は
よっぽど斜に構えた人間でないかぎり
憎しみを持つに至らない。
今こうして攻撃されたわけでも侵害されたわけでもない、むしろ常に与えてくれる人間に対して、憎悪の気持ちを抱くというのは、心が失った時の予防線としてこの状況を良しとしないのだ。
だから人から与えられる事の多い、例えばお金持ちの子供だったり容姿が優れている人間などは、こういった感情の渦に流される事がしばしばあるのではないかと思う。
失う辛さを知れば、無意識的に自己防衛のための予防線を張る。学習能力がある。
でもその結果生まれる相手を侮る心や、憎しみが、自身の弱さだということを、気づいてないない。