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己の天真爛漫に身を委ねられたらどれだけ良いだろう。毎日のように劣等感と自己嫌悪に襲われ、老いの恐怖に悩まされる。私の代わりはいくらでもいる。無価値な自分を変えたくて努力しようと行動する。毎日机に向かい、ペンを手に取る。くそみたいなアイデアも、大事にしたい閃きも余すことなく書き留めて、それを形にしようと奮闘する。必要なものは沢山あって、画力、センス、知識、個性、技法。毎日デッサン。毎日観察。毎日勉強。毎日良いものは何かと研究し、練習を怠らない。一つあっても成り立たず、それ全て磨いた上で組み立てる大きな力が必要だ。そして人と外れた事をし、リスクを背負う、人生を博打をかける勇敢な精神と、強靭な忍耐力が必要なのだ。少しずつ行動の結果が表れて、そうして評価され、初めは０だった一つ一つの能力も目に見えて向上していった。そしていまもその途中。

女の価値は見た目。

人間性だとか言うわかりきった事を省いて言わせてもらえば、顔が全て。顔の優劣は人間の優劣。どんな極悪人でも美人であればキャラクターになり絵になる。ブスのおっちょこちょいにイライラする人間も、美人のおっちょこちょいには手を差しのべる。発言力も影響力も顔面の力が左右する。説得力が上がる。だからダイエットやエクササイズを怠らない。毎日16時間は断食して、積極的にたんぱく質と食物繊維を摂取する。炭水化物は食べない。差し入れのお菓子も食べない。そして毎日腹筋背筋30回を義務付けて、２日に一度は半身浴をする。ストレッチも欠かさない。コンプレックスを解消するため、顔のエクササイズは毎日少なくても15分、多くて30分。体脂肪率が徐々に減り、筋肉量が19キロまで増えた。顔も心なしか小さくなった。足も腕も昨年の写真と比較すると細くなった。目標の体重までこの生活を維持している。いまもその途中。

とは言ってもやっぱり人間性も大事。

人前では笑顔を絶やさない。挨拶は明るい方がいい。ズルいことはしたくないし、損得勘定なしに自分が出来るのとは人にする。勤務は己の責務を果たすだけでなく、プラスアルファで自分に出来る事を探す。そして実行する。礼儀や感謝は忘れてはならず、謙虚な態度でいるべきだ。言うべき時は言う優しさを持ち、自分も他人も良い方へと導くことが大切だ。注意深く人を観察し、周囲を見て何が必要で何が最善であるかを常に考える。たとえ自分が悪者と思われたとしても、勇気をもって実行するのだ。長く続けていれば、人に信用され大役を任せて貰える。給料は増えたし、仕事を任されることも増えた。信頼と実績はこつこつと積み重ねていく。いまもその途中。

原稿を見ればくそみたいな絵。

鏡を見れば肉のたるんだブス。

１日を振り替えれば自分の行動反省。

毎日毎日毎日毎日毎日毎日、くそな自分が嫌でその時の最善を尽くしても、それでもくそな原稿はくそのまま、ブスはブスのまま、自分が嫌い好きになれない。

これから年をとって鏡に映るものがさらに醜くなる。絵なんて努力すりゃ誰にでも描ける、代わりなんていくらでもいる。

皆は優しい、皆は可愛い、皆といると楽しい。いい人にもめぐりあえて、自由に暮らせて、毎日ハッピーなのに

最善を尽くしても自己嫌悪に抗えないならばもうつかれた早く死にたいよ。