どこにいても、自分が従業員、犬、女、として努める限り必ず訪れる最悪。嫉妬。
いつも一番可愛がられなければ嫌で、だから一番一生懸命頑張って、それで一番優遇されて、それで周りからちょっと嫉妬されたりして、でもそれが悲劇というスパイスと優越感という甘味料を織りなして向上心に繋がる。そうしていつのときも組織に属する時は従順で賢く可愛い犬であろうと全うしてきた。しかしいつのときも、新しい犬は出荷されてくる。私の地位を脅かす可愛い犬が。そうして密かに牙を向けながら努力を続ける。牙を悟られてはいけないのに、自分に自信が無くなると、毒を吐き粗探しをしたりする。
本当は、本当は、本当は、お姉ちゃんなんだから、優しく迎え入れておいで君も仲間だよってしなきゃいけないのに。
そして私も、背後で牙を向けながら優しく手を差し伸べてきてくれたお姉さん方に無邪気な振りしてして尻尾を振ってお答えする。若さという絶対的価値で勝ってるという自覚が余裕をもたせてくれていることを自身で体感しながら。これは女の永遠のループでありサイクル。女であり犬である私達は、王様に仕える限り、そして王様の恩恵を受ける立場で有る限り、こうした一切の感情の曇りに直面することになる。
そして自らの感情に嫌悪し羞恥の渦にのまれるのだ。
しかしこの感情の原因を考えてみれば根っこは大したものではない。
新調されたことにより自身が捨てられるのではないかという恐怖による感情の曇りでしかない。
マズローの欲求5段階説に当てはめてしまえば、たった下から2と3番目の段階だ。
健康な身体を持ち、労働意欲があり、そこそこの経験と知識と頭がある自分にとってその2つを確立することはさして難いことではない。
つまり私がこの嫉妬とよべる感情の曇りに、心病むというのは、さして心配するよなこともないような初歩の部分で悩んでいるだけだ。
確かに、若いときは存在するだけでただ可愛い愛玩でいれた。努力なしに与えられたラッキーカードを失うのは嫌だ。しかしそれは皆乙女は平等に、一度切り使えるマリオの最強無敵モードで、むしろそれを出来たこれまでに感謝し、いま無敵モードで駆け抜ける乙女達を高い旗のあるゴールへ導けるような女性になるべきなのだ。
しかしここは仮の場所、ここは仮の場所だ。
もはや自己防衛のために今与えられた環境を軽視しよう。勿論感謝は忘れずに。
そもそも論仕える立場にいなければいい。
マズローの欲求5段階でいう1番上を必ず満たして、自分が王様になる。
大義や愛だけが夢の味方ではない。
自分の弱さもまた、夢の味方だ。